本研究は,無教師異常検出(Unsupervised AD)に関するもので、特にテクスチャ画像に焦点を当てています。通常、ADでは多くの正常サンプルが必要とされますが、提案されたゼロショット異常検出法は、正常サンプルを全く使用せずに異常を検出します。提案手法はMVTec ADデータセットの5つのテクスチャにおいて、画像レベルのAUROCが99.6%に達し、数百の正常サンプルを使用する最先端の手法(SOTA)よりも優れた性能を示しました。従来の異常検出手法は多くの正常サンプルを必要とし、画像の向きの不一致が性能に悪影響を及ぼしていましたが、提案手法はこれらの問題を克服し、少数の正常サンプルしか利用できない場合でも優れた性能を発揮します。技術的には、事前学習されたCNNの中間特徴を使用し、入力テクスチャが均質であると仮定して、その均質性を破る画像領域を異常として検出します。この方法により、入力画像の特徴間の類似性を評価し、類似性が低い領域を異常と判断します。また、入力テクスチャの均質性を事前に評価する定量的基準の提案も行っています。
図.MVTecADテクスチャ画像のゼロショット(=正常・異常ともに画像サンプルを一切利用しない)検出結果の例
図.提案したテクスチャ異常検知のための新しいデータセット.テクスチャ異方性の有無がAD手法に影響を与える.
この研究は三桜工業株式会社との共同研究による成果です。
論文:Toshimichi Aota, Lloyd Teh Tzer Tong, Takayuki Okatani, Zero-Shot Versus Many-Shot: Unsupervised Texture Anomaly Detection, Proceedings of the IEEE/CVF Winter Conference on Applications of Computer Vision (WACV), 2023, pp. 5564-5572 [PDF]