車載ステレオカメラの自己校正

vehicle_stereocam.jpg近年,自動車にステレオカメラを搭載し,色々なドライバー支援を行うシステムが実用化されています.このような車載ステレオカメラシステムを対象にした自己校正の方法を研究しています.ステレオカメラの校正とは,車両に取り付けられたカメラの姿勢やその光学系のパラメータを正確に知ることを言います.通常,システムの工場出荷前に作業を行い,この校正を行なっておくのが一般的ですが,経年変化その他の理由で,出荷後にも校正をやり直す必要が生じる場合があります.自己校正とは,そのような場合に,自動車が走行中,カメラが撮影した映像だけを使って自動的に校正を行うことを言います.校正のための面倒な作業が一切なしに,いつも正確なパラメータを知ることができる.そんな方法です.

走行時に撮影された左右カメラの画像列間で,画像間対応付け(空間の同じ点が各画像のどこに写っているかを求めること)を行い,これを用いてロバストバンドル調整という方法で最適化することで,シーンの3次元とカメラの運動軌跡,およびステレオカメラのパラメータのすべてを同時に推定することを行なっています.以下に用いた左右カメラの画像の一例と,対応する3次元復元結果を示します. vehicle_stereocam_3d.jpg.png

参考文献

深澤,岡谷,出口木村,ロバストバンドル調整を用いた車載ステレオカメラのセルフキャリブレーション,情報処理学会研究報告Vol.2013-CVIM-185 No.11, 2013/1/23